| ■+RW陣営が訴求したい3つのポイント  +RWアライアンスは、2005年10月26日から東京有明で開催されたWPCエキスポ2005において、ステージを設けた本格的なブースを構え、+RWのメリットを積極的にピーアールした。 次世代DVDの話題が連日、新聞や雑誌を賑わす中、+RWアライアンスはユーザーにどんなメッセージを打ち出したのだろうか。会場で張間氏(ソニー 
              コアコンポーネント事業グループ)と大久保氏(ソニー マイクロシステムズネットワークカンパニー)に話を聞いた。 「私たちは、+RWフォーマットを日本国内で普及させることを目的として、昨年のWPCエキスポから出展をしています。今年のテーマはダブルレイヤー(DL)、つまり片面2層ディスクを知ってもらうことです。訴求したいポイントは3つあり、まずは"大容量"です。DLの容量は8.5GBと、従来の約2倍のデータを記録できます。DVDレコーダーだと標準画質(SPモード)で約2時間がいっぱいですが、DLなら約4時間の録画が可能になります。長時間録画が可能なDLをぜひ使って頂きたいと思います」
 1回書込ディスクとしては、DVDビデオとの互換性が高いという印象から日本ではDVD-Rディスクを選択する人が多いのが実状。自宅のDVDプレーヤーで+Rディスクが再生できるのかすら、よく解らないと言う人も多いだろう。そうであれば、+RWアライアンスとしては「二層なら+R」を薦めたい、そして薦める3つの理由があると言うわけだ。 ■+RWは互換性に自信アリ
  「ふたつめのポイントは"互換性"です。+Rの二層ならビットセッティング、いわゆるROM化によって比較的古いDVDプレーヤーでも互換性が確保できます」 
              
                |  WPCエキスポのDVD+RWアライアンスのブースには+RWメディアも多数展示。ステージを最後まで見るとディスクが1枚お土産としてもらえる特典付き。
 |  +R DLディスクは2004年にいち早く製品化されたが、新しいフォーマットのため、古いDVDプレイヤーなど一部の機種ではディスクの種類を正常に認識できないトラブルが頻発した。そこで、+RWのメーカーはディスクをプレイヤーにDVD-ROMだと認識させる書込方法「ROM化」によって互換性を向上させた。当初、ROM化はDVDプレイヤーを騙す手法なので賛否が分かれていたが、ユーザーにとって互換性が第一という視点から、現在では+Rフォーマットブック上も、ROM化は認められている。一方、DVDフォーラムが策定するDVD-R陣営も2004年末よりDLを登場させたが、同様のトラブルを抱えることとなってしまったため、ROM化に正式対応した+R 
              DLの方が互換性は優れていると言える状況になった。
  「みっつめは"信頼性"で、ロゴマークがそれを証明します。+RWの場合、ディスクメーカーの開発が終わった段階で、ベリフィケーションを受けることがライセンスの条件になっています。そこで承認された製品だけが+RWのロゴマークを付けて市場に出せる、というシステムです。買ったディスクが粗悪品だったために録画や記録ができない、録画したのに再生できない、といったトラブルを防ぐためです」 このコラムでも以前、一部の海外メーカーが激安販売しているDVDメディアは書込や再生時にトラブルが多いことを紹介した。 「ライセンス契約さえすれば(品質が基準に満たないものでも)、ロゴマークを付けて市場に出せるという他の団体が採用している仕組みを問題視した結果、海外メーカーのメディアであっても、+RWロゴが付いていれば安心して購入できるというシステムを採用したのです。」
 
 
 
   ■+RWのこれから 「-RWや-RAMがCPRMに対応し、デジタル放送のコピーワンスに対応していることに対し、+RWはしくみを持っていないことが問題視されていましたが、VCPS(Video 
              Content Protection System)を導入することが発表され、今後はVCPSに対応したレコーダーやディスクが販売されることになります。コピーワンスの場合、それぞれ-VRと+VRモードで録画することになりますが、+VRはDVDビデオと互換性が高く、ファイナライズ操作が必要ないという利点があります。また暗号化(コピー制御)されている番組とされていない番組が混在した場合でも、+RWの場合は暗号化されていない番組のみ一般のDVDプレーヤーで再生できる」ことが特長となります。また、+RWディスクのDLが12月下旬にフォーマットブックが策定される見込みで、今後も進化を続けていきます。」(取材は2005年10月) 
              
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                    | インターネットマンが執筆した DVD&ブルーレイの教科書
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                        | 体系的に学ぶ 次世代DVDのしくみ
 神崎洋治、西井美鷹著
 日経BPソフトプレス 
                          1,890円。DVDの乱立した規格やメディア、ドライブのしくみをわかりやすく紹介。二層式DVD、Blu-ray等、新しい規格にも焦点を当て、特長やメディア、ドライブ、互換性などを解説。
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 |  |  |  |  |   最後に気になるのが、やはり次世代DVD規格への展望です。DVDフォーラムがHD DVD規格を策定しているのに対して、+RWアライアンスは次世代フォーマットは持っていません。それについては 「次世代DVDになって+RWがサポートされるかどうかは個々のメーカーに委ねるところですが、日本でもハイビジョンが主流になるにはまであと2〜3年以上かかりますし、欧米ではもっと遅れるでしょう。その間はずっとローコストのDVDが主流だと考えています」 とのこと。また、HD DVDとブルーレイ(BL)のどちらを応援することになるのかという問いに対しては「立場からすれば、どちらも応援するということはありません。強いて言えばライバルであるDVDフォーラムのHD 
              DVDを押すという可能性は低いでしょう」とのことでした。
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