すっかりジメジメした梅雨と何回か降った大雨のせいで、大切に育てている芝がかなり痛んでしまっていて非常に悲しい。自分で植えて育てるまで、芝のことはエクステリアの道具のひとつとしてしか考えていなかったが、育ててみるとやはり生き物・・とても繊細で難しい。植える前にもっと土壌をしっかりと作ってやらねばならなかった。水はけをよくする工夫をすべきだった。「なぜに国立競技場の芝生は美しいのか」をもっとよく読んでからはじめればよかった。少しずつでも、強い芝が作れるようがんばるぞーい。閑話休題。

さて、僕が執筆したDVDの勉強本「体系的に学び直す DVDのしくみ」(日経BPソフトプレス 定価1600円)が発売になった。DVDに興味のある人全般にお勧めで、いつもそばに置いていて欲しい本なので、ぜひヨロシク。ちなみにセキュリティ本と同様、ソフトの設定とか操作方法には全く触れず、DVDの変遷や歴史、メーカーと規格の構図、ドライブのしくみ、ファイルフォーマットに関することなどがアレコレ掲載されているのだ。買ってね。今日はその本から少し、DVDとファイルフォーマットの話。

既にDVD-RWとかを使ったことがある人なら、「以前、別のパソコンでバックアップしたDVD-RWのファイルが新しいパソコンでは読めなかった。こりゃあ信用できん」というハメに遭遇した人もいるだろう。これから遭遇する人もいるかもしれない。それは、DVDを書き込むときのファイルフォーマットに起因するケースが多い。つまり、ファイルフォーマットについて知っておこうな、と。

■DVD-VideoとUDF Bridge
上記のように既に体験した人はともかく、DVDをあまり使ったことのない人は、DVDはDVDドライブがあれば、どのパソコンに持っていっても読み出しできるんでしょ? と思ったかもしれない。それはちょっと違う。
まず、DVDのファイルフォーマットというのを漠然と覚えてくださいな。簡単です。互換性がチョー高い「UDF Bridge(ブリッジ)」と、記録型DVDでよく利用される「UDF1.01」〜「UDF2.01」です。
一方、DVDには大きく分けて再生用のDVDビデオ(映画とかアニメとか、のね)とDVDオーディオ、パソコン用DVD-ROMがあって、それと記録型のDVD-R/+R、-RW、+RW、RAMってのがあるのはご存じの通り。民生用DVDプレイヤーやオーディオ機器、パソコンでの再生が絶対条件であるDVDビデオとDVDオーディオ、DVD-ROMは通常、互換性がチョー高い「UDFブリッジ」というフォーマットが利用されているわけ。で記録型DVDでは、DVD-R/+Rは互換性から「UDFブリッジ」が使われるけれど、書換えを可能とする-RW/+RW/RAMでは「UDFフォーマット」のバージョン「1.01」〜「2.0x」が使われる。これらのUDFフォーマットの各バージョンはOSが対応していたり、DVD書込ソフトをインストールするときに対応させるためのソフトウェア(モジュール)が一緒に組み込まれるので、パソコンによってUDFフォーマットの読み出せるバージョンがまちまちの状態になる。そういうわけで、DVD-Rで記録したバックアップデータは他のパソコンで読み出せるけれど、DVD-RWのパケットライトで記録したデータは読み出せない、といった事例が発生しちゃうんだね。

■UDF Brideファイルシステムとは?
DVD-ROMはファイルシステムに「UDF Bridge(UDFブリッジ)」を採用している。UDF ブリッジとは、DVDをサポートしている機器では最も標準化されている古いバージョンのUDF 1.02で確実に読み出せることを旨とし、古いパソコンなどUDFをサポートしていない機器やOSでも読み出しができるように、CD-ROMの普及によって標準化している「ISO-9660」のアクセス手段でも読み出しが可能になっています。いわば、UDF 1.02とISO-9660を橋渡しできるしくみだね。それゆえ、読み出しの互換性がとても高い。この特質を利用して、どんなパソコンでも将来的に読み出せるバックアップディスクをDVDで作りたい、と思ったらUDF ブリッジ・フォーマットで作成するべきなのだ。DVD-RWを使った場合でも、いわゆるパケットライトではなく、DVD-ROMやDVDビデオと互換の、通常のDVDライティングソフトを使って書き込めば一般的にDVDブリッジで記録されることになる。

■パケットライトとUDFフォーマット
では、記録型DVDでよく使われるパケットライトでは、どのようなUDF規格や種類があるのか。記録型DVDの規格を研究する際にいろいろなUDFについて知っておくことが重要だ。DVDと関連するUDFの規格としては、UDF1.02、UDF1.5、UDF2.0、UDF2.01などがある。下記の表にもあるとおり、DVDビデオなどDVD-ROMで採用されているUDF 1.02が互換性としては最も高いバージョン。UDFのこれらのバージョンはユーザが極力意識しなくて済むように作られてはいるけれど、先に説明したとおり、パソコンのOSが対応していたり、対応するドライバやモジュールをインストールしないと、パソコンで読み出しができないバージョンが存在するので、実は全く知らないと困っちゃうことがある。
例えば、Windows XPは今言ったすべてのバージョンの読み出しに対応している。Windows 95はUDFに非対応となっているが、UDF Bridgeファイルシステムを利用することでISO-9660として読み出しが可能。Windows98/Me/2000では、一般的にDVD/CDライティングソフトなどをインストールする際にUDF2.0/2.01を読み出し可能にするドライバやモジュールが組み込まれる・・といった具合だ。記録型DVD、とりわけDVDをMOやフロッピィのように扱えるパケットライトを取り扱うようになると、対応するUDFのバージョンに対する、このような深い理解が必要なのだ。パケットライティングを行う際、どのUDFのバージョンで書き込むかはアプリケーションに依存したり、ユーザが選択する設定内容となる。

Windows95、98/Me、2000、XPによってそれぞれ標準で読み出せるUDFのバージョンが異なっています。例えば、あるユーザがDVD-RWドライブを購入したとして、それにバンドルされているパケットライティングソフトがUDF 2.0で書き込むとしよう。さて、パケットライティングで書かれたそのメディアは、どのWindowsで読み出しができるだろうか。

【UDFのバージョン別、各OSが"標準で読み込める"対応状況】