■撮った映像はカッコよく編集しようぜ
去りゆく夏・・・
心に残る珠玉の思い出・・・
色あせる前に・・・
タイトルつけて、テロップつけて、BGMつけて、カット編集して、そんでもって・・

海に行ったかい? ひょっとして海外旅行に行ったとか? それともキャンプ? 雛壇ツアー? 夏のコミケ? まぁ、ひとそれぞれいろんな夏の過ごし方があったと思う。で、最近はとっても小さいデジタルビデオカメラ(以下、DVと略)なんかで、とってもきれいな画質で思い出を録画する人も多い。せっかく撮ったテープだから、タイトル付けて、BGM付けて、演出なんかもしてみたいなぁ、なんて思う人も多いことだろう。でもね、意外と今は簡単にできるんだぜ。9月の連休にチャレンジしてみるのはどうかな?

ここ数年、DVの普及とともに、パソコンでビデオ編集したいという人が増えてきた。娘の成長を録画したデジタルビデオを編集し、ムービーを作成するMacintosh(iMac)のTVコマーシャルを記憶している人もいるだろう。これまでプロや上級者が中心に愛用されていたビデオ編集ツールやアプリケーションソフトウェアに加えて、より簡単に扱える一般ユーザ向けソフトウェア製品も登場している。ビデオ編集ツール自体は劇的に変わったわけではないけれど、パソコンの処理能力が数年前よりアップし、ディスクもGBクラスが普及したおかげで、かなり快適に使えるようになってきたわけだ。 右の画像は昨年作ったものだが、DVテープから取り込んで、タイトルやテロップを加えたものだ。Media Playerで再生しているところだが、DVテープやDVDに保存するのがお勧めだ。	ビデオ画像にBGMとタイトルを入れると、子供達やテープをもらった人はより楽しく思い出を楽しめる。
	テロップを入れるのも面白い。最近のバラエティはなんでもかんでも、喋っている言葉すべてにテロップが入ってやかましいが、適切なテロップは映像にストーリーを加えることができる。

■DVで撮った画像はどーすんのよ?
このビデオ編集、やってみたい気はするけれど、どーすればできんのよ? 機材高いんでしょ? て人も多いことざましょ。そ、概略の手順はこんな感じ。

1.DVカメラからパソコンに動画を取り込む DVで撮った映像をパソコンに取り込む。この作業は「キャプチャ」と呼ばれる。DVが登場する以前は、キャプチャボードという高価なシロモノが必要だった。これはアナログ信号をデジタル信号に変換しなくちゃいけなかったから。ところがDVカメラは元々デジタル信号で記録しているからキャプチャボードは必要なくなった。必要なのは単に「IEEE1394ボード」(IEEE1394はFireWireとか、i.Linkとも呼ばれるがどれも同じもの)。パソコンに元々IEEE1394のコネクタが付いているよ、という人はケーブルだけあればいい。しかも、DVカメラから取り込む場合は、パソコン画面上の操作でDVカメラの再生、早送り、巻き戻しなどをコントロールすることができる。なんかカッチョいいだね? 市販のIEEE1394ボードには、『オー！舞画 DV』(ロジテック)のように、DV映像の取り込みソフトが同梱セットで5〜7,000程度で店頭販売されている物もある。	画面はDV画像取り込み編集ボード『DV Raptor』(カノープス)で、画面からDVカメラをコントロールしているところ。
2.ビデオ編集(DTV) 取り込んだビデオ動画をパソコンでビデオ編集する。これを「DeskTop Video」と呼んだりする。キャプチャした動画ファイルの不要な部分をカットしたり(カット編集)、タイトルやBGMを入れるなどして編集・加工し、ひとつの映像作品に仕上げるわけだ。作り込めば、プロが編集したテレビ番組や映画と同等のものができる。ソフトウェア次第だけど。	ビデオ編集画面。初心者用ソフトの画面をのぞき、こんな感じの画面構成が一般的。最初は戸惑うが、使い込むとこういう画面がいい。僕の愛用は『MediaStudio Pro』(カノープス/ULEAD)だ。
3.書き出し(出力) 編集完了したビデオ動画を保存する。パソコンで再生するならそれですべて作業完了。それではつまらないのでDVテープに書き戻す(録画)したりする。その際に元の映像とほぼ動画質で書き戻すことも可能なので、きれいな映像のまま、タイトルやBGMを追加できるというわけだ。誰かにあげるためにVHSテープにしたい場合は、DVからVHSにダビングするのが通常。その際に画質が落ちるのでちょっとガッカリ。それが嫌だ、という人はDVD-Rに保存する。DVD Videoの形式にのっとって記録すれば家庭用のDVDプレーヤーやゲーム機、パソコンで再生ができる。この方が画質は劣化しない。 DVD-Rドライブなんか持ってないよ、という人はその気になればCD-Rに記録することができる。パソコン再生用のスーパービデオCDか、DVDプレーヤー再生用のビデオCDだ。しかし、ビデオCDは画質が悪いので、銀盤にこだわらなければVHSの方がベターだろう。	高画質なDV映像を高画質なまま編集することは可能だが、高画質のままメディアに保存するとなると、DVカメラ(DVテープ)かDVDということになる。僕の愛用機はDVD-R/RWドライブ『LDR-216FU』(ロジテック)だ。外付けはいろんなPCに持っていけるし、内蔵ベイを占有しないので便利だ。インタフェースはIEEE1394とUSB2.0の両対応でお気に入りの一品。

■リニア編集とノンリニア編集
ビデオ編集に関する書籍や雑誌でよく目にする用語が「リニア編集」と「ノンリニア編集」。それっていったいなんだ?
覚えていても何も得しないけれど、知ったかぶりよりはマシなので解説しておこう。ビデオ編集する行程で、テープからテープへ順次記録していく方法がリニア編集。一方、テープからパソコンなどにビデオ動画を取り込んで編集するのがノンリニア編集だ。
一般のユーザで身近な例をあげると、ビデオカメラで撮影した映像のうち、不要な部分を削って短くまとめたり、効果的な順番に並べ替えたいと思ったとき、2台のビデオデッキを接続して必要な部分だけをダビングするのがリニア編集。一方、パソコンに必要な部分だけをキャプチャして、まとめてテープに書き出すのがノンリニア編集というわけだ。

リニア編集で、タイトルやテロップ、シーンチェンジなどのエフェクト効果を付けてダビングを行うには、ビデオ編集機が必要になる。つまり、専用の機械を買わなきゃいけない。また、ダビングしたテープの途中に間違いが見つかった場合、修正するのは簡単なことじゃあない。ダビングの度に果実が劣化するのが嫌な人も多いだろう。これらがリニア編集の欠点だ。
一方、ノンリニア編集はこのような欠点がない。パソコンとビデオ編集ソフトを使って簡単に特殊効果やタイトル、テロップを挿入することができるし、途中に間違いが見つかった場合の修正もソフトでその部分をちょちょいと訂正するだけ。また、DVからの入力の場合、画質の劣化はほとんどないのがうれしい。ただ一点、ノンリニア編集の注意点は、ディスク容量が大量に必要となること。DV動画(AVI形式)のビデオファイルは1分間で約230MB、10分で2.3GBが必要になる。だから、ディスク増設だけは必要だと思った方がいいだろう。そうは言ってもデスクトップなら内蔵ハードディスクはめちゃ安い。80GBで1万円程度だ。頑張れば買える! !ディスク容量の拡張に不便なノートパソコンは、この点はちょっと不利(つまり出費が多い)ことになるけどね。

どう? 少し興味が沸いてきたかな。
僕がDVDドライブにDVD-R/RWをチョイスしているのは、ビデオ編集したものをDVDに録画したいこと、それとDVDのバックアップ、これをメインに利用しているからだ。DVDまでは無理、という人は、DV画像の取り込みからビデオ編集、DVテープへの書き戻しくらい、ぜひやってみてね。