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毎日コミュニケーションズの雑誌「月刊PC Mode」で、昨年から「神崎洋治のDVDならまかせなさい」という新連載が始まった。DVDの規格や活用方法などについて、できるだけ解りやすく解説しているので、機会があつたら読んでみてね。
で、今回はその記事の中から抜粋して「デジタル放送のコピーワンス」について、僕の個人的主観。
■ 我が家のデジタル放送への道は遠い
僕は自宅ではケーブルTVを愛用している。理由は今までの地上波テレビのゴーストが凄まじくって、イライラしていたこと、ケーブルTV、電話、インターネットのセットなら安あがりの価格設定があったからだ。価格、これこそ無敵だ。今のご時世。
ところで方式は残念ながらアナログ。それでも一般の地上波放送とBS、専用チャンネルがすべてケーブル回線で送られてくるので、なんとなく便利な気がする。子供達はディズニーチャンネルに夢中だし、僕はオプションでWOWOWを追加、映画やライブ、演劇を楽しんでいる。特に演劇ファンの僕にとって、WOWOWの演劇は結構うれしいのであったりする。
ところで、アナログ方式のケーブルTVで一点だけ不満なところがあった。それはノイズが多いところ。ノイズが多い状態というのは、目立つところでは黒ベタのはずなのに白い点々が見える・・つまり画面に霧がかかったように見える状態のことだ。黒ベタがグレーに見える。だから、これといってデジタル放送に興味があるわけではないのだけれど、デジタルならノイズのない状態で黒は黒でクッキリと見えるはず・・だからデジタルいいなぁ、なんて思っていた。まぁ、地上波デジタルを自宅でも見れればそれはそれでいいし…ということで、デジタル方式に変更したくなって再度調べたんだけど、やっぱり「コピーワンスの関係で僕にはむいていない」ということになった。
つまり、デジタル放送にすると今まで普通に録画できていたほぼすべての番組が「コピーワンス」になってしまうので、今使っている器材では、DVD-Rのコレクションができなくなるのだよね。つまらん。
■ デジタル方式=著作権保護された番組(CPRM)
仕事に追われている皆さんもほぼ同じだと思うけれど、忙しいときは時間がなくて、どうしてもディスクレコーダーに録画する機会が増える。録画が貯まればDVDレコーダーのディスクがパンパンになるので、DVD-Rに保存してコレクションになるでしょ。僕の場合、専門チャンネルが放送する日本の古い映画をDVD-Rに録画してコレクションに加える癖がある。もうこれは「癖」と呼ぶようなもの。見たいなぁ、録画しとこう、時間がない、見られない、いつか見るぞ、老人になったら見るぞ、とDVD-Rケースに貯まっていく・・これがちょっとした至福でもある。
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ケーブルTVであってもデジタル方式に変更すると、原則としてすべての放送が著作権保護された番組となる。だからコピーワンスに制限される。コピーワンスというのは録画した番組や作品を一回だけ、コピーワンス対応のメディアに録画が可能、という仕組みのこだ。現在のデジタル放送は「CPRM」(Content
Protection for Recordable Media)という方式が採用されていて、これが非常にややこしい話になっている。
もう少し詳しく解説しよう。
コピーワンスはメディアにコピーするときの制限なので、DVDレコーダーに録画する場合、内蔵の固定ディスク(HDD)に録画することは通常通りできる。なんの問題もない。ただし、直接DVDメディアに録画したり、ディスクに録画した番組をDVDメディアに移動するには「CPRM対応のメディアに限る」という制限がある。一般にはCPRM対応のメディアと言えば、DVD-RWかDVD-RAMのことだ。最近、一部の機種でのみDVD-RのCPRM対応が登場したけど、庶民向けではまだない。
■ CPRM対応のメディアとは
今言ったように、CPRM対応のメディアには、DVD-RWとDVD-RAMがあり、最近になって、対応のDVD-Rメディアが発売された。
一般的に利用されているのは、DVD-RWとDVD-RAMだ。ただし、どちらもCPRM対応のディスクと非対応のディスクが市販されていて、対応の製品を購入しなければいけない。ディスクの外観は同じでもTV番組の録画用の「for
Video」とPC用の「for Data」があって、特にfor DataはCPRM対応となっていないので要注意だ。また、レコーダー機種側で対応していない場合もあるので、デジタル放送に切り替える前にはCPRM対応の可否を確認しておこう。
さて、-RWやRAMは書き換えディスクなので当然-Rメディアよりは高価で、ストック向けではない。だから、CPRM対応のDVD-Rが望まれるが、いよいよそれがデビュー。ただ、ちょっとややこしくて爆弾っぽい。
■ CPRM対応のDVD-Rメディアはしばらく要注意か?
ユーザーにとっては実は、「CPRM対応のDVD-Rは新しくできた規格」と思った方が良いくらいのもの(実際にはDVD-RのVRモードが問題の焦点)だ。
というのもコレ、最近発売されはじめたCPRM対応のDVD-Rメディアと対応のDVDレコーダーの組み合わせで、VRモードのみ録画と再生が可能という仕組み。つまり、CPRM対応のDVD-Rメディアを購入しても従来のDVDレコーダーではコピーワンスの番組を録画することはできない。
僕の場合、TV録画の保存には現在ほとんどDVD-Rを使用しているので、デジタル放送に切り替えるとレコーダー機も買い替え、次回からメディアもCPRM対応に買い換えなければならない。しかも、CPRM対応のDVD-Rレコーダーは高価格な上位機種を中心に設定されているのみ。
更に爆弾っぽいのが再生の互換性が低いこと。仮に僕が、頑張ってCPRM対応DVD-Rメディアに録画できる最新のDVDレコーダーに買い替えたとしても、それで録画した番組を従来のレコーダーやプレイヤーで再生できないことがある。対応レコーダー以外の機種でCRPM対応DVD-Rディスクを挿入すると、再生できないだけでなく、ディスクが使用できなくなったり、取り出せなくなるトラブルの可能性があるとして、レコーダーメーカー各社が注意を呼びかけているくらい。とほほ。詳しくは松下電器産業や東芝、パイオニアなど各社のホームページに掲載されているのでご一読を。
書いている私でさえややこしいと感じるんだから、多くのユーザーにとってこれは難解な問題だろう。結果的にメディアの種類もひとつ増えて、購入時のトラブルのもとになる可能性もある。著作権を保護することはとても大切なことだけれど、あまりにもユーザーに大きな大きな負担を強いているように思えてならない、そう感じるのは僕だけか?