こうしてDVDの記事を書いていると、僕の周囲にもDVDに興味津々の人が多いことが改めて解る。まだDVDを始めていない人たちは一様に口を揃えてこう言う。
「どれを買っていいか解らないから」
このどれには2種類ある。ひとつはDVDプレーヤーで、比較的一般の友人がこう言う。もうひとつはDVD-RかDVD-RAMか、はたまた新手のDVD+RWか、という書き込み装置のことで、こちらはパソコンを使い倒している人が言う言葉だ。
実際、どちらも悩んでいることには違いないから、ちょっとした復習を兼ねて、ここでDVDの選び方を少し紹介しよう。
もちろん、今日話す内容は先日出版された僕の著書『DVD-R&CD-R
ムービー作成テクニック』を読むと一層理解できるはずなので、併せて読んで欲しい。(宣伝宣伝!!)
■DVDとは、CDの親玉か?
いつも立ち戻ってしまうが、そもそもDVDとはなんなのか?
CDと同じサイズの円盤でありながら、容量はCDの約7倍の4.7GBのデータが入る。本当はもっといろいろな種類があるが、とりあえず今の主流は4.7GBである。
で、DVDの中に何を記録するかだが、要は2つのうちどちらかだ。ひとつは「パソコン用のデータ」もうひとつは「ビデオ映像」。パソコン用のデータを記録する場合は、単に4.7GBの周辺機器となる。別に面白くもなんともない。
面白いのは後者だ。DVDの中に「ビデオ映像」を企画に沿って記録すると「DVDビデオ」と呼ばれるものが完成する。でき上がったDVDは市販されているDVD映画タイトルやイメージ映像DVDなどと同類のものであり、パソコンやDVDプレーヤーで再生できる、とこういうわけだ。
■どれを買っていいか解らない、のだ
次に、市販されているDVDタイトルと同類の「DVDビデオ」を中心に考えてみよう。DVDプレーヤーにあなたのお気に入りの映画DVD-ROMを入れると、動画やメニュー画面が表示されて映画鑑賞と相成る。ビデオと比べていろいろなメリットがあることは前々回に解説したが、鮮明な画像で作品をいろいろ楽しみたいのはごもっともだ。しかし、いかんせんDVDプレーヤーのメーカーも、DVDタイトルを製造するメーカーもまだまだ経験が浅く、いろいろなトラブルやニーズの読み違えなどが起こる。その結果が「DVDは不安定」とか「再生できないソフトがある」とかいう事態になってしまうのである。
ビデオ世代の人であれば、次に必ず「このDVDに録画できないの?」となる。DVカメラで撮った家族旅行の映像、思い出の彼女とのツーショット(死語か?)デートの映像、その後行ったラブホの○×な映像(をいをい(汗;))、お気に入りアイドルのお宝映像を集めたビデオクリップ(だんだんオタクの世界に入ってきた)、出会い系サイトで知り合っ・・・(そのへんにしとけ)、という具合に、様々な映像を円盤に焼きたくなる。「カビが生えて色落ちするショぼいVHSテープなんてポイッだ」と言いたくなる。で、「DVDを作りたいじゃないかよ、私は」となる。のか?
なるんだろう。
さて、そこでDVDを作ろうと思ったが、DVD書き込みの機械は群雄割拠の戦国時代。いったいどれを買えばいいんだよー、と相成る。ふぃ〜。
■DVDプレーヤーはDVD-RW対応を買え
さて、前者のDVDプレーヤーの購入についてだが、実にいろんな機能のものが発売されているので、ひとつひとつには触れない。ここで言いたいツボは「DVD-RW対応機種を買え」ということだ。5.1ch(チャンネルと読む)サラウンド対応はもはや当たり前として。
DVD-RWとは詳しくはあとで説明するが要するに書き換え可能なDVD-Rだ。(CD-RWのDVD版みたいなもんだ) このDVD-RW、実は市販のDVDタイトルやDVD-Rメディアよりも信号の反射率が低い。従ってエラーが発生しやすい。それなのにDVD-RW対応とメーカーが自信を持って唱っているならエラーに対するリカバリ率も比較的高いと推測できるからだ。
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ちなみにDVD-RWの反射率はDVDの片面2層めと同程度の反射率だ。DVDプレーヤーによっては1層めから低い反射率の信号を捉えても対応する機種と、エラーにしてしまう機種があり、後者はDVD-RWを再生できないし、品質の不安定な香港製DVDなどでもエラーしやすい傾向にある。
ちなみに西井がアキバで買ってきたDVDプレーヤーはリージョンコードの判別機能や、コピー防止機能の解除できるキワモノだ。最初からそんな機種を売るのは協定違反だが、ユーザが改造設定してしまうなら仕方ない、というカラクリなのだろう。簡単なコード入力でDVDの不正防止に関わる規定は意味のないものになる。こういう製品を買うかどうかはユーザが判断することだが、まぁ、そんな逸品も既に売られていることを知っておくのも良いだろう。
■DVD規格の概要
さてさて問題なのはDVD書き込みのためにどの機種、どの規格の製品を買うか、ということだ。今日はそれら規格のまとめをして終わりにしよう。
市販されているDVDには現在5種類の規格がある。この規格はそれぞれに長短所を持っているので、DVDドライブを購入する際にもどの規格に対応した製品を選択すべきかユーザは頭を悩ますことになる。
まずはその規格の概要から。
・DVDフォーラムが策定し、既に対応機器やメディアが出回っている規格。
DVD-RAM
DVD-R
DVD-RW
・DVD+RWアライアンスが策定し、2001年秋から対応製品が出た規格。
DVD+R
DVD+RW
DVDフォーラムとは、DVD規格の制定及び、DVD規格の普及促進を図る世界的な組織。DVD規格としてはDVD-RAM/R/RWがあり、参加企業の数で判断すれば、主流と言える。
一方、DVD+RWアライアンスは2001年3月に発表されたDVD+RW推進グループ。米国ヒューレット・パッカード、三菱化学、ロイヤル
フィリップス エレクトロニクス(オランダ)、リコー、ソニー、トムソン マルチメディア(フランス)、ヤマハ、米国デルコンピュータなどを中心とし、多くの企業の賛同を得た後発チームだ。
で、この5つのうち代表となる選手は
DVD-RAM
DVD-R
DVD+RW
の3選手に分けられる。
で、すご〜くおおまかに言うと、
パナソニックのDVD-RAM/DVD-Rドライブはとにかく安い。(4.5万円くらい)
パイオニアのDVD-R/RWは欲しいけど高い。(6万円くらい)
リコー/ソニーのDVD+RWは宣伝コピーは魅力的で安いけど、ちょっと様子見。(5万円くらい)
という状態で悩んでいる人が周囲には多い。さぁ、どうするか。
詳しい解説は次回しようと思うのでお楽しみに。
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