■夏の夕暮れとセキュリティ 
            前回の「メールは覗かれる」というテーマは意外と反響が大きかったぞ。元々、一般のメールは、現実社会のハガキのようなもの。たくさんやりとりされているから、いちいち他人宛のハガキを読んでいるヒマはないけれど、読む気になれば簡単に読まれてしまうという話。だから実際に覗いているヤツが身近にいるか否かは別にして、そういう恐れがあることは自覚しておく必要があるのだ。
            現実の社会では「玄関のドアに鍵をかける」「知らない人が出入りする部屋には大切なものを置きっぱなしにしない」「見知らぬ人には住所や名前をむやみに教えない」「町中でクレジットカード番号を大声で言わない」・・そんなことはどれも普段の常識として身に付けている。だけども、インターネットではどうだろうか? 
              パソコンと向き合い、キーボードで情報を入力しているせいか、ひとりだけの、安全でプライベートな世界のように錯覚してしまう。セキュリティに関する普段の常識についていえば、インターネットも実社会とまったく同じだ。インターネットとの出入り口に鍵をかけ、盗られては困る情報を放置せず、プライベート情報はむやみに教えない・・・もちろんその心づもりはできている、という人も多いだろう。でも、インターネットは新しく不慣れな世界であること、実態や仕組みが目に見えにくいことなどの理由により、近づく危険に気が付かなかったり、知らず知らずのうちに危険地帯に入り込んでしまっているということが起こりうる、のである。
            ■自動受信設定をする前に!! 
            メールの自動巡回機能というのがある。常時接続の環境にはことさら利用されている機能だ。例えば、メーラが15分や30分に一回、定期的にメールサーバにアクセスし、メールが届いていたらパソコンまでダウンロードしてくる機能だ。しかし、このメールの自動巡回機能がプロバイダのセキュリティ対策を無にしてしまう。せっかく「受信を行ってから30分以内だけ送信を許可する」という仕組みになっているのに、メーラは必ず30分ごとに自動巡回するから、結局、なりすましの機会を与えることになってしまうわけだ。
            プロバイダによっては、「同社のアクセスポイントからログインした人だけがメールの送信ができる」とか更に「ログインする時のユーザIDをメール送信時にチェックして本人であることの認証を行う」などのチェックを入れているところもあるので、利用しているプロバイダや企業のメールサーバが、なりすましのためにどのような制限を設けているかを調べておこうね。
            
              
                
                    
                      インターネットマンが執筆した 
                     
                    
                      
                          
                            体系的に学ぶ
インターネットセキュリティ 神崎洋治、西井美鷹著 >> 詳細を見る 
 
                      
 
                
 
            
■起動してしまえばプライバシー情報や履歴は丸見え 第157回:ボクワ・スパム・メール・ナンテ・オクッテイナイ の巻 
                〜ある日届いた苦情のメール〜 」を読んでもらうと解るが、他人のサーバにとりついてメールを発信することもできるから、知識のあるストーカーに狙われると、つけ込まれてしまうのである。
            
            「Windows」フォルダの「Temporary Internet Files」フォルダ。ブラウザで徘徊し、表示したデータが蓄えられている。 
            では、夜な夜な起動して詮索していた同僚、マイク心斎橋(仮名)氏は、いったい涼子さんの何を覗き見していたのだろうか?
            マイク心斎橋(仮名)談 
            なんて怪しいんだ、マイク氏!! そんなこっちゃ、メールだけじゃないだろう?
            マイク心斎橋(仮名)談 
            おまえの知ったことか、マイク氏!! だいたいなんでそんなこと知ってるんだ?
            マイク心斎橋(仮名)談 
            会員ページはパスワードでブロックされているだろー?
            マイク心斎橋(仮名)談オートコンプリート 」機能っていうんですか? ひと文字入れるだけでユーザIDは出てくるし、パスワードまで「******」で自動入力されるから、どこでも入っていけますわ。どうしても入れない場合は、「Windows」フォルダの「Temporary 
              Internet Files」フォルダを覗くんですよ。そこには表示されたページがまんまセーブされているので、パスワードなんて知らなくても、じっくり検証できるス。 
            なにが検証だか。マイク心斎橋っ、いったい、そんなことをして何になるというんだ。人の行動を追跡する、しかも相手がOLなら、まんまサイバーストーカーじゃないかっ!! 
              はぁはぁ。ちなみにサイバーストーカーとは、個人情報を詳細に調べていやがらせをしたり、情報を他人に漏らして、不快な思いをさせる輩をさす。
            しかし、オートコンプリート は大変便利な機能だ。ログイン画面のホームページで、ユーザIDにひと文字入れただけで、過去に入れたIDがリスト表示され、選択すると自動的にパスワードが入ったりする。便利だ・・・だが、マイク心斎橋にとっても便利になってしまうのである。オートコンプリートは検索エンジンなどで探したキーワードなども記憶しているので、他人に見られる可能性がある場合は要注意だ。「美少女」とか「お菓子系」とかのキーワードで検索したことがある人は、オートコンプリートを削除して情報隠滅しておけよっ!! 
              いや、そもそもWindows98/Meは危険なものだから、Windows XPに変えて貰うように会社に掛け合おう・・・ってそりゃあ、難しいよなぁ。
            オートコンプリート機能。数字や文字を一文字入力すると、過去に入力したキーが自動表示される。複数ある場合は一覧表示され、選択するだけで良いので実に便利な機能だ。しかし、セキュリティ上は多少の難がある。上の例は銀行のサイトなので、オートコンプリートでは口座番号しか表示されないが、サイトによってはパスワードも自動入力されるページもある。 
            Windows98の画面。オートコンプリートは「インターネットオプション」の個人情報欄の「オートコンプリート」ボタンをクリックして設定を操作する。パソコンを他人に貸し出したり、逆に友人のパソコンや、大学やインターネットカフェのパソコンを使ったときはオートコンプリート履歴をクリアしたい。