■XperiaやiPhone、同じ機種を2年間も使いますか
iPhoneやXperia等、話題のスマートフォンを使ってみたいけれど、そのためにソフトバンクやドコモと契約するのはどうもなぁ…という人も多いかもしれない。

ソニーエリクソンが開発したNTTドコモの「Xperia」
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僕の周囲では「Xperiaを使ってみたけれど使いこなせなかった」という人は意外と多い。スマートフォンは高機能ケータイというよりパソコンに近いので、こういう事態もいたしかたなかろう。
だからこそ、使ってみて使いこなせなかった人がすぐに機種変更できるシステムは必要だが、その点では世の中、とても不便にできている。
ドコモやソフトバンクは2年契約(いわゆる2年縛り)を原則として料金の設定をしている。
例えばNTT Docomoの『Xperia』。最近、ヨドバシカメラでみた金額では、7万円もするXperia本体が、新規契約で19,800円、MNP(番号ポータビリティ:番号そのままで他社から乗り換え)で8,800円程度で買える。これだけ見ると尋常じゃないディスカウントだ。もの凄く安い。
しかし、これで購入・契約すると2年間使い続けないと解約金(のようなもの)が科せられる。機種変更もままならないこともある。
iPhoneやXperiaといったスマートフォンは新機種が出れば乗り換えたいものだ。また、2年以内に新バージョンが出たり、別のもっと良いスマートフォンに乗り換えたい、という衝動にかられて当然…同系列の新機種が発売になることは確実といっていい。
んが、しかし・・・実際は新機種への切り替えに優遇はないどころか、新機種に切り替えた場合には2年の期間から使用した期間を差し引いた分の割賦残債のような支払いが発生する。
そう「割賦で買っているんだから、解約すれば残金を払うのは当然だ」という見方も正しい・・・であるから「いっそのこと買い取った方がスッキリする…安い」とか、「使っていない人から端末を譲ってもらおう」その方が得だろう? という考えがよぎる。
■Xperiaの本体をオークションで買ってドコモと契約したら?
実際、iPhoneでもXperiaでも端末は中古店やオークションでも売っている…中古で2〜3万円、新品未使用品でも3万円強だ。しかし、本体のみを入手すれば、2年縛りなくドコモと契約できるのではないか…と思いがちだが、これがまたそうもうまくいかない、いかせない「しくみ」がある。

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ドコモの通話の基本料金は一番安いもので月額980円だ(プランによっては780円というのもある)。最近ではケータイだってメールのやりとりが基本で、通話に使う割合はグッと減ってきた。通信料を主体に考えるがXperiaの場合はパケホーダイ ダブルが月額5,985円となり、別途プロバイダ料金が更にかかる。
Xperia本体を買って(持ち込み)、ドコモと契約するとこの合計が月額の使用料になるのか、と言えばさにあらず。この通話基本料は新規の持ち込み契約には適用されず、新規の場合は基本料が一気に月額約3,000円もアップして3,780円、パケホーダイ ダブルと合わせると月額で約1万円にもハネ上がってしまう。
例えば、譲ってもらったXperiaをちょっと使うのに年間でおよそ12万円(通話した分の料金はのぞく)もかかる。これは、一市民にとってはスマートフォンを使う現実的なコストと言えるだろうか。
あるいはドコモショップで親切なスタッフにあたれば、「一番安いケータイ電話機を買ってFOMAカードを手に入れ、それでXperiaを使ってはどうか」という前向きな提案をされるかもしれない。普通のケータイ電話機本体代金が約2,100円、月額780円+パケホ5,980円、となるとやっとホッとする月額が提示されることになる…んだけど、これにはやはり2年縛りがついてくる。
2年間使い続けなければならない仕組みが嫌だからドコモのXperiaキャンペーン(本体19,800円)の提案をはねのけた人であれば、結局2年縛りとなる「安いケータイ本体を買って2年契約してそのFOMAカードでXperiaを使う…」という計画にも残念ながら納得できるはずはないのである。
こうなると日本では「ケータイを使うのに必ず一定額以上の上納金を納めよ」と言われているようにも感じる。少なくとも、契約したら2年間使うという約束は、ケータイを庶民的な料金で使う上での絶対無二の条件になっている。
■SIMロックとSIMフリー
ご存じの人も多いかと思うが、海外の多くは、端末は端末だけで買って、料金プランは好きな通信会社(キャリア)と契約することでSIMカードを入手し、それをケータイの本体に装着することで通話やデータ通信が使用できるようになる。

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もちろん通信方式の違いがあるから、どんな端末とキャリアの組み合わせでもいいというわけではないが、少なくともユーザにはキャリアや端末を選んで使い分けられる選択肢があり、キャリアは電波が届く範囲や料金プランなど、魅力的なサービスを競うことで市場競争しているのである。
これがいわゆる「SIMフリー」のメリットだ。日本のように端末によって使用できるSIMが限定されることを「SIMロック」と呼ぶ。
NTTドコモとソフトバンクは同じ通信方式を使用しているが、NTTドコモのSIMをソフトバンクに入れても使用することはできない。日本の場合、通信方式以外にもメールやiモードサイトなど、それぞれキャリア独自の技術が使われているところに原因がある。
なお、auの場合、ドコモやソフトバンクと異なる通信方式を採用しているが、auのケータイ同士であっても、いつも使っているケータイからSIMを抜いて、別のケータイに入れて使用することができない。
■日本通信のb-mobile SIM と Xperia
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日本通信の「b-mobile SIM U300」のパッケージ(1ヶ月版)。プリペイド式で1ヶ月はデータ通信が使い放題だ。通信速度は300kbps超なのでFOMAハイスピードより遅い。
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著者のXperiaとb-mobile SIM U300の組み合わせ。6ヶ月14,980円でデータ通信が使い放題。
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日本通信の「b-mobile SIM U300」のパッケージの中身。FOMAカードそのものだ。
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この日本の古き慣習であるSIMロックを打ち破ろうとしているのが日本通信(b-mobile、bモバイル)だ。
日本通信の「b-mobile SIM U300」はSIMカードだけで販売されている。
U300はパケット通信専用(音声通話なし)の使い放題プラン。プリペイド式(前払い)で、1ヶ月(2,980円)、6ヶ月(14,980円)、12ヶ月(29,800円)が用意されていて、6ヶ月と12ヶ月はヨドバシカメラやビックカメラなどの大手量販店で買える。アマゾンでも割引価格で販売されている(アマゾンで価格を確認)。1ヶ月(2,980円)版のみ、量販店で販売されておらず、日本通信のホームページでの購入となる。
日本通信のSIMといっても中身はまったくのFOMAカードだ。だから購入したSIMカードを、例えばXperiaに装着すれば、期間内であれば低速ながらパケット通信を好き放題楽しむことができる(WiFi機能ももちろん使える)。6ヶ月だと月額換算で2,500円程度、スマートフォンを楽しむのに適した金額だ。ドコモのパケホダブルと比較しても半額以下だ。
「音声も通話使いたい」という人には、音声通話1,050円分とパケットし放題の「トーキングSIM」がある。これはプリペイドではなく、月契約となるため量販店では買えず、日本通信のホームページ等で手続きを行って契約し、毎月の引き落としとなる。2年縛りもなく、月額3,960円でXperiaの通話とパケット通信のすべての機能が利用できる。
ちなみに電波回線はドコモの通信網を使っているので、ソフトバンクのように地方に行ったら入らない…なんて悩む必要も、心配もない。
こうしたメリットを活かすべく、iPhone4と日本通信b-mobiel SIMのセットも人気が出始めている。ソフトバンクから買ったiPhone本体はSIMロックがかかっているので、ソフトバンクのSIMカードしか装着できないが、海外で販売されているSIMフリー版のiPhoneを購入すれば、U300やトーキングSIMを使って、便利なドコモの通信網でiPhoneが使用できる。
※ ドコモの料金や端末の価格等、ホームページやショップで確認したうえで
掲載していますが、内容を保証するものではありません。
料金プランも随時変わる可能性があります(2010年9月時点)。
必ず正規ショップ等で確認してください。(金額は目安程度にみてください)
この記事の内容に近い最新記事をブログ版「進め!インターネットマン」に掲載しました。そちらもお読みください!! 2013年2月22日
「低価格SIMカード、安いSIMフリーでドコモのスマートフォンを安く使う」http://www.internetman.jp/archives/136
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