前回、マンガ(コミックス)の話を書いたら、「最近読んだ作品で、一番面白かったのはなに?」というメールをもらった。うーん、いろいろあるけれど強いてあげるならば『20世紀少年』かな。脚本家の三谷幸喜氏も広告で(笑)絶賛してた。面白いです。
■なんか変だぞ交流戦…
野球の視聴率はかなり低迷している。昨年の平均視聴率は記録的に低かったが、今年は4月12.9%(昨年15.0%)、5月13.0%(14.6)と本来高いはずの月からして既に低迷してしまっているのだ。個人的には我が阪神タイガースがいいところ付けているのでそこそこ楽しんでいるけれど(今日のところ首位ね、首位。首位ってのは1番ってこと。うしし。でも、所詮今のところ…ぬか喜びしないのが長〜く阪神ファンを続けるコツ(笑))
ところで低迷を打破するための必殺技が交流戦…いったいいつまで交流戦やってんだ……? 僕の所感では面白くも何ともない。あと、12球団まとめて交流戦の順位付けするのはやめた方がいい。総当たりじゃないのにおかしいじゃないか、順位付けたら…。ペナントレースでセリーグとパリーグを一緒くたにしてランキングするのと大差ないこと。それが変だということにファンが気付かないとでも思ってんのかな…。
交流戦は新鮮な感じで良いねぇ、とか言われているけれど、その分、日本シリーズの楽しみ半減でしょ。「今年の阪神とロッテはどっちが強いかなぁ?投手戦なら…長打なら…」なんて会話もなくなる。だって「こないだやって負けたでしょ、3タテ…」って話で終わったりして。ゲーム前のわくわく感は半減。
なんかやってること変では? プロ野球。
閑話休題。
■検索サービスの話をば…
インターネットを積極的に利用している人なら、Yahoo! JAPANやGoogle、gooといった検索サービスや検索エンジンを使わない日はほとんどないだろうね。それほどに検索サービスは既に日常に不可欠なものになっている。
ところでこの検索サービスについて、みなさんはどれくらい詳しく知っているだろうか? そう聞かれると自信ないなぁ、という人が多いに違いない。そういう人は迷わず、とりあえず、僕の本「体系的に学ぶ検索エンジンのしくみ」(日経BPソフトプレス
価格¥1,890:税込)を買って読むんでね(右参照:歴史からしくみ、広告ビジネスまで、検索エンジンの今がわかる!!)。これはベタなPRです。よろしくね。
おっと、ただPRするだけでは納得がいかないと思うのでちゃんと検索サービスのコラムを書くのでご心配なく、ね。
1994年、2人の大学生がインターネットの道しるべを作ろうと思い立ったのが検索エンジンの始まりだ。そして、それがポータルサイトという巨大ビジネスのはじまりだった。そう、Yahoo!がシリコンバレーで誕生したときのこと。
■インターネットの利用率なんぞを見てみる
2003年末時点で既に、日本のインターネット利用者は約7,730万人に達した(総務省発表)。この数字は、日本の人口に対してインターネットの普及率が60.6%、世帯普及率は88.1%となったことを示唆する。つまり、10人に6人、10件のうち約9件がインターネットを利用しているという数字だ。凄いねぇ。僕がシリコンバレーに住んでた1996年にはまだ、夢見ていた数字だ。
一方でインターネットの利用環境も著しく発展していて、ブロードバンド回線利用世帯は全体の47.8%と約5割に達し、「インターネットの一般化と高速化が進んでいる」としている。この数字はこの1〜2年で更に増えているはずだ。
これだけの利用率に達すると、いろんなことを言い出す人が出てくる。ジャーナリストを含めてだ。「TVはインターネットに飲み込まれる」「インターネットがあれば雑誌は要らなくなる」・・・なんてね。まぁ、ある意味正解だし、ある意味誤解だし。例えば、確かにインターネットの黎明期より米国のIT雑誌の多くは極端に売上を落とし、すっかり破綻していってしまった。無料のインターネットサイトからニュース情報を得るようになると、お金を出して買っていた雑誌や新聞などの購読をやめてしまう。そうすればビジネスとしてはサンセットだ。しかし、コンテンツそのものの需要がなくなったわけではないから、需要をお金に変える策はいろいろとあるはずだ。
そんな業界事情を反映したもののひとつが検索サービスだと言えるだろう。
■検索エンジンとポータルサイト
みなさんは検索サービスと言えば、どこを思い浮かべるだろう。
Yahoo! JAPAN? Google? エキサイト? いろいろあるね。更に、ヒッグローブやニフティなどプロバイダ系も加わり、いわゆるポータルサイトを巡って熾烈な争いが繰り広げられている。
しかし、その内容たるや、じつは千差万別。豊富な機能と情報で満ちあふれている。いったいどうやって儲けているんだろう? と思ったことはない?
※ポータルサイトとは
「ポータル」は玄関や入口の意。インターネットの玄関(入口)となるべく、多くのユーザのアクセスを集めることを目指したWEBサイトのこと。当初は検索機能がメインだったが、現在では、ニュースや天気予報、株価などの情報提供、電子掲示板やメッセンジャーサービス、チャットなどのコミュニティ、無料のメールサービス、オークションなど様々なコンテンツを提供する巨大なサイトが多い。
代表的なポータルサイトには、Yahoo! JAPANやGoogle、goo、Infoseekなどの検索エンジン系のサイト、MSNやOCN、ニフティ、AOL、So-net、BIGLOBEなどのインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)系などがある。
今回は、検索サービスの初歩の初歩から考えていこう。
「検索エンジン」の意味を、三省堂のデイリー新語辞典を引くと「インターネットの中から目的に応じた情報(主にウェブ-ページ)を検索する機能。また、そのためのサーバーやサービス。ディレクトリー型検索エンジン、ロボット型検索エンジン、メタ検索エンジンなどに大別される。サーチ-エンジン。検索サービス。検索ページ。検索サイト。」とる。
検索エンジンという言葉は既に新語として認知されており、それそのものが何かという解説は辞書の解説で十分だろうけれど、検索エンジンを更に踏み込んで理解したり、活用しようと思うと、もう少し細かい定義が必要となる。
検索エンジンの代表と言えば「Yahoo! JAPAN」「Google」「goo」「excite」などのWEBサイトがあげられる。確かに辞書にあるとおり、これらのWEB検索サイトや検索サービスを「検索エンジン」と呼ぶことに問題はない。ところがそれぞれのWEBサイトをよく見ると、Googleは検索機能に特化しているものの、ほかのWEBサイト、Yahoo!
JAPANやgoo、exciteなどは検索機能だけでなく、ニュースや天気予報、辞書など多くの情報コンテンツが掲載されており、オークションやショッピングなども設置されている。つまり、このように情報量が膨大なWEBサイトにおいては、「検索エンジン」とは狭義の意味で検索する機能(システム)のみを呼ぶことが適切であると言える。
そう、巨大な情報サイトはポータルサイトと呼ぶ方がピンとくる。
ポータルサイトという言葉に対しては、「検索エンジン」は機能の一部として活用されている。デイリー新語辞典て゜「ポータルサイト(portal
site)」を引くと「ポータルは玄関の意。インターネットでウェブ-ページを見る際に、最初に入るウェブ-サイト。このサイトの広告価値が高いため注目されている。」とある。
インターネットの利用方法や手順は様々ですが、「いつも最初にアクセスするページはニュースで、毎朝見るニュースサイトは決めている」と言う人は多いことだろう。天気予報や占いを見て一日をスタートするという人もいるかもしれない。また、インターネットで特定の情報について収集しようと思ったとき、まずは検索エンジンを利用してキーワード検索するのも一般的だ。このように、インターネットにアクセスして最初に見るサイトをポータルサイトと呼ぶ。ポータルサイトとは事業の種類を表わす言葉(ポータルサイト事業)としても使われている。
■日本では異常なほど強いYahoo!
【検索サイト トップ5のシェア争い(米国)】
1. Google 39.37%
2. Yahoo! 30.38%
3. MSN 29.63%
4. AOL 15.53%
5. Ask Jeeves 8.49%
※2004年 米Nielsen//NetRatings |
WEBサイトに多くの人が集まれば、そこに掲載されている情報の価値が上がりる。広告バナーを掲載すれば、それを見る人やクリックする人が確率的に増えることだろう。したがってより高額な広告収入を期待することができ、ビジネスとして安定する。「どのようなユーザ層をどれだけ集めるか?」ポータルサイトのビジネスモデルと目標は明確だ。
独自の技術を搭載した検索エンジンを売り物に、様々な検索サイトがポータルサイトNo.1を目指して登場した。検索サイトはユーザのアクセス数を獲得するために膨大な情報サービスを掲載するようになった。検索エンジンは機能的やマーケティング的に優秀なものだけが生き残り、今ではこのようなポータルサイトの一部が「検索機能」として組み込まれている、と言える。
【検索サイト シェア争い(日本)】
1. Yahoo! JAPAN 46%
2. Google 16%
3. MSN 15%
4. goo 3%
5. excite 3%
6. BIGLOBE 3%
7. infoseek 1%
※2003年8月 NTTデータキュビット
オンラインショップ利用者24万件を対象に調査 |
この表は、世界的に見た検索エンジン(ポータルサイト)と国内のそれの順位だ。状況がちょっと違う。そう、日本ではYahoo!がやたらと強いのだ。ある調査では、実質的には80%程度の利用率を誇るとも言われている。Yahoo!
JAPANのYahoo!オークションなども独壇場で、日本では高額のシステム使用料等で大儲けしているものの、米国ではYahoo!オークションのシステム使用料はライバルとの競争のため無料の措置をとるほど余裕のない状況だ。
良くも悪くもYahoo! JAPANは強い。これが今後の検索サービスの利用やビジネスなど、我々にどのように影響していくのだろうか。
検索エンジンについて、徐々に踏み込んで今後は説明していきたい。
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