またまた著書が刊行された。
タイトルは『よくわかる最新Webプロデューサーの基本と極意』。副題として「アマチュアとプロフェッショナルの根本的な違いとは?
」がついている。
本当にうれしいことだ。たくさんの人が読んでくれるともっとうれしい。
これで現在、売れ筋目指してPRしたい書籍は3つ。
『体系的に学び直す ネットワーク・セキュリティ』(売れてます!)
『1台のパソコンでWindows2000/XPと98/Meを使う本』(増刷出来!)
そして、新発売の
『よくわかる最新Webプロデューサーの基本と極意』
なのだ。みんな、ぜひよろしくね。
■よくわかる最新Webプロデューサーの基本と極意
神崎洋治、西井美鷹著
秀和システム 1,800円。
コンセプトメイキングからデザイン、運営管理からマーケティングまで。「趣味」ではない「仕事」としてのWebをプロデュースする。
「Webプロデューサー」という仕事が「特殊なカタカナ職業」として扱われていた時代は終わり、最近では「Webは誰にでも作れる」というイメージが強まり、会社のWebも「外注」ではなく「自社内でプロジェクトを立ち上げる」というケースが主流となってきています。本書は、誰もがなれる「Webプロデューサー」について、わかりやすいイラストと共に最新事項が無理なく理解できる、ビジネスマン必読の書です!(秀和システムの内容紹介より)
もしよかったら買ってね。
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さて、この新刊『よくわかる最新Webプロデューサーの基本と極意』、タイトルを見て解るとおりWebプロデューサーとしての仕事本だ。『体系的に学び直す ネットワーク・セキュリティ』と比べると誰にでもお勧めできる本というわけではないけれど、これからWebプロデューサーを目指す人、はからずもWebプロデューサーの任についてしまった人、Webと企画について興味がある人に読んでもらいたい本だ。特に、Webプロデューサーとしてビジネスをつかむために必要な心構えや基礎知識なども豊富に盛り込んであるから、例えば「今まで技術職だったので企画とはなにか解らない」とか「今まで趣味でWeb制作をやってきたけれど、プロはどう違ってくるのだろう」という疑問を持っている人が、勉強するには良い本だと思う。
■そもそもWebプロデューサーというのはどんな仕事なのだろう?
僕の場合、1996年初頭に周辺機器に関する書籍を1冊書き上げ、その原稿料を握りしめて米国シリコンバレーに渡った。僕のビジネスのパートナーであり、恩人であるジョンの助けを得て、ふたりでインターネット黎明期のベンチャー企業を取材して回った。いわゆる特派員の仕事である。そのときに取材を通じて、インターネットの最新技術に触れ、ビジネスモデルを学び、インターネットの世界にどっぷりと浸かって感動する毎日を体験した。それがいつしかWebプロデューサーという業を勤しむようになったきっかけだ。そのノウハウと経験、いつもやっている仕事の中から、大切だと思うことをピックアップして書き上げたつもり。ただ・・。
本書の構成は下記で紹介するとして、本書では実に当たり前のことを当たり前に書いている。しかし、当たり前のことが果たして当たり前と思っているかどうかは人によって違う。本書の中で再三出てくるキーワードのひとつに「企画とはなにか?」という問いかけがある。Webプロデューサーはデザイナーではない。ホームページをデザインしたり、グラフィックの効果についてうんぬんいうものではない。Webプロデューサーというお仕事の多くは、企画と実行、そしてマネジメントに明け暮れる。では、その重要なファクターのひとつである「企画」とはなにか?
なんでしょうか?
本書から少しだけ抜粋してみよう。
1-3 企画とはなにか?
Webプロデュースとは、企画から制作、運用まで、プロジェクトを計画し、進行していく仕事です。そこで次に曖昧な言葉である「企画」について、はっきり理解をしておきましょう。
■企画とは計画を立てること?
私の知人に企業の人事や求人担当者が数人います。"企画"は学生や転職希望者に人気の志望職種の筆頭だと聞きます。ところが、人事担当者が面接で「企画とはどのような仕事だと思いますか」と尋ねると、イベントをやること、デザインをつくること、提案やアイディアを出すこと、など応えは実に様々だと言います。更に、中には口ごもってしまったり、開き直って「御社での企画はどのような仕事ですか」とそのまま聞き返す人もいます。このことから、企画という言葉はとても曖昧であり、人によって解釈が大きく異なっていることが解ります。日常生活ではそれでもいいのかもしれませんが、仕事として企画を行うには曖昧のままにしておくわけにはいきません。企画とは何かをはっきりと理解しておく必要があります。
「企画」を大辞林で引くと「計画を立てること。立案すること。また、その計画や案。"新製品を―する"」とあります。企画というと、どちらかといえば"立案すること"というイメージが強く、"計画を立てること"が含まれることを意外に感じた人も多いのではないでしょうか?
しかし、企画で最も大切なのは計画を立てて実行することなのです。-中略-
つまり、企画とは、ある目標を定め、それを達成するために何をすべきかを明確にし、やるべきことを埋めていくことです。企画は計画を立てることであり、アイディアではありません。アイディアは企画の一部であってもそのものだと思っては誤解なのです。
「計画を立てることが企画だとしたら、どんな仕事にも企画はあるじゃないか?」と思う人もいるかもしれません。実は、その通りです。営業における企画は営業企画、もしくは販促企画、製品開発には製品企画や商品企画、会社全体の計画に関わる経営企画など、見回せば企画はあちこちにあります。企画はどんな仕事にも存在します。ただし、企画担当者という職業は、効率が良く精度の高い計画を立て、迅速に目標を実現するためのプロなのです。ただ計画を立てればいいというものではありません。ここを正確に理解していないと、企画担当者に赴任したとしてもアイディアだけを出して、実行力が伴わなかったり、なにをやるべきか解らずに周囲から命じられた雑用に奔走するという結果になってしまうのです。
ということで、「企画」というのが「目標と計画を立てる」ことだとは知らなかった人も意外と多いのではないだろうか。そんな当たり前のことの再発見の役に立つ本になるといいなぁ、と感じている。
次回も少し、Webプロデュースというお仕事と、そして本書について解説していきたい。
(構成の一部を紹介:第一章だけでもこんなに濃密だー(笑):全9章構成)
第1章 Webプロデュースという仕事
1-1 Webサイトの過去、現在、未来
"ホームページ"は和製英語
ホームページを持つことが目的の時代へ
ホームページは競争の時代へ
カタログや雑誌広告と比較してホームページの利点
3Dカタログを導入したWebサイト事例
コミュニティを作り、常連客を増やす
ビジネスはネットへと移行していく
1-2 Webプロデューサーとは?
Webプロデュースとはどういう仕事なのか?
Webプロデュースの魅力
1-3 企画とはなにか
企画とは計画を立てること?
企画のプロに求められること
企画とデザイナーが混同されるワケ
企画とプロデュース
1-4 Web制作の流れ
Web制作の概要
具体的な作業の流れ
1-5 Web制作 取り組む前の5つの心構え
高いモチベーション、これが基本中の基本
クライアントと意識を統一する
プロポーザルからローンチまでを具体的にイメージする
ユーザの立場で検証する
企業ブランディングで包み込む
1-6 Web制作とマネジメント
Web制作を支えるスタッフ
Webプロデューサー
Webデザイナー
コピーライター
アーティスト
HTMLコーダ
システムエンジニア
1-7 ビジネスおけるWeb制作
ビジネスモデルとは?
シリコンバレーのビジネスモデル
予算とコストの算出手法
■まえがきの紹介
まえがき
わたしはモノを作る仕事が大好きです。パソコンの周辺機器を企画したり、広告制作や販促の仕事に携わったり、イベントや展示会のプロデュースもしました。雑誌の記事を書いたりこのように単行本を作ったり、その仕事ひとつひとつに楽しさがあります。
わたしがパソコン周辺機器メーカーを退社し、独立して米国シリコンバレーに渡ったとき、インターネットは新しい情報メディアとして大変に注目を集めていました。シリコンバレーでは毎月たくさんのベンチャー企業を取材させていただきました。インターネット黎明期と呼ばれる頃で、無数のベンチャー企業がアイディアと技術でITビジネスを牽引していました。とても刺激的な毎日でした。そこで得た知識と経験に、モノを作るという楽しみをブレンドした結果、いつしかWebプロデュースを仕事として行うようになっていました。最近ではますます楽しく感じています。好きなことを仕事にして生きているのだから幸せなのかもしれません。
本書を手にした人はWebプロデュースという職業を目指し、そこで成功するための情報を得たいと感じていることでしょう。本書の内容はその基礎知識を網羅したものを目指しました。心構えやコミュニケーションなど、Webプロデューサーに限らずビジネスマンの初級講座的な内容もあり、一方でWebデザインやその制御技術、オンラインショップ、決済システムなどにも触れ、かなり幅広い知識が提供できたのではないかと思っています。
もちろん、最初から読み進めても、必要な箇所だけ読んでいただいても結構です。Webプロデュースが歴史の浅い仕事であるということは、しがらみのない自由な発展途上の仕事ということでもあります。セオリーよりも、まず楽しむこと、そんな仕事に必要な基礎知識を、みなさんも自由なスタイルでご正味ください。
編集に携わった秀和システムの皆様、情報や資料提供してくださった関係者の皆様に御礼申し上げます。
著者 神崎洋治
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