■約 1年ぶりの短期間でのバージョンアップ
本日、アドビシステムズがフォトショップ・エレメンツの新バージョン「Adobe Photoshop Elements 9」を発表した。いつもセット販売している動画編集アプリケーションの「Premire Elements 9」も同時発表。
予約は本日(9/21)よりアドビストアで開始。
店頭発売は10月1日予定。
詳しくは、僕がプロデュースと執筆をしているスタジオグラフィックスの「フォトショップエレメンツ de ゴーゴー!」で新機能を紹介しているので、そちらも見てね。
>> Photoshop Elements 9 レビュー / 新機能と特長
Photoshop Elementsシリーズは、画像編集&管理アプリケーションとして人気のソフトウェア製品。Photoshop ブランドを掲げた弟分として、有料レタッチソフトの中にあってチョイスする人が多い。実際、アドビシステムズ社のプレゼンテーション(調査はBCN)によれば、日本市場における最新の同製品のシェア(コンスーマ向け写真編集ソフト分野)は70%、2位のエーアイソフト製品(12%)を大きく引き離しているようだ(2010年4月)。
「Photoshop Elements」シリーズのシェア(赤)。(BCN調べ)
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一方、ビデオ編集ソフト分野では、強力なライバルであるコーレルのシェアが高い。国内では「Movie Writer」「DVD Writer」「Video Studio」などの製品でULEAD社が実績を上げてきた。そして、コーレル社の買収と事業統合に伴い、ユーリード社のユーザを獲得したコーレルが市場で高いシェアを持つことになった。アドビは定評のあるプロユースの「Premire CS5」の弟分である「Premire Elements 9」をPhotoshop Elements 9 との組み合わせで普及促進し、シェアを一気に獲得したい考えもあるだろう。
「Premire Elements」シリーズのシェア(赤)。市場はコーレルがリードしている(BCN調べ)
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今回、動画編集ソフトの「Premire Elements」と同梱の管理ツール「Elements Organizer」がMac OSに対応したことで、WindowsだけでなくMacintoshユーザーにも促進したい考えだ。
■お勧めの写真編集ソフトはなに?
知人からよく「デジカメ写真を補正したり加工するソフトってなにがいいの?」って聞かれるが、そのときは「無料のソフトをちょっと使ってみたいならPicasa3、有料でもいいならPhotoshop Elements」と答えている。
Picasa3はGoogleがダウンロード提供しているデジカメ画像の管理ソフトウェア。写真の管理と活用がメインのツールだが、簡単な「カラー/明るさ補正」や「レタッチ機能」も装備しているので、デジカメ写真の補正でごく一般的な補正を行う分にはとても使いやすい。詳しくはスタジオグラフィックスの「Picasa3 活用講座 写真の整理と管理術」を参照して欲しい。
「Picasa3」と「Photoshop Elements」の"主な機能"はとてもよく似ている。写真を整理する上では、ほとんど同様に利用することができる。Photoshop Elementsの方が★(評価マーク)を細かく指定できたり、Exifを活用したりなどの面で高機能、その分ソフトウェアの動作が重たい、といった感じだ。整理した写真の中からお気に入りのものをWEBアルバムとしてアップロードしたり、知人と共有することもできる。
「Photoshop Elements 9」のオーガナイザー(Elements Organizer)の画面。「大阪」タグのついた写真だけを選別して表示したところ。
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Photoshop Elementsの強みはやはり、高機能フォトレタッチの王道として君臨する「Photoshop CS5」の技術やテクノロジーが流用されている点だ。一眼デジカメユーザにとっては重要な「RAW現像」に細かく対応しているのも特筆点だ。(Picasa3でもRAWファイル内のサムネイル画像を使った表示と補正はできる)
今回の「Photoshop Elements 8」から9へのバージョンアップは、約1年という短いスパンで行われたが、Photoshop CS5で好評の機能を反映したバージョンアップという印象も強い。なお、残念ながら今回のバージョンアップでもPhotoshop Elements 9は32ビット版のみで、64ビットネイティブは用意されていない。
なお、フォトレタッチや描画がしたいけど無料がいい、という人は「GIMP2」もなかなか良い。興味があればググッてみて欲しい。
Photoshop Elements 9 を起動したとき、スタートアップスクリーンでPhotoshop Elementsの機能の紹介を見ることができる。その中でもポイントとなるだろう Elements 9 の新機能を選んで画面キャプチャーしたので紹介しておく。Photoshop Elements 9 のスタートアップスクリーンからのものだ。これらの機能に興味があれば、Photoshop Elements 9 の導入を検討してみてはいかがだろうか。
※Photoshop Elements 9 の画面はベータ版をキャプチャしたものです。
製品版とは異なる場合があります。
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