2013年6月13日、アドビシステムズがデジタルマーケティングフォーラム2013(Adobe Digital Marketing Forum 2013)を六本木ヒルズ、グランドハイアット東京で開催しました。
ウェブマーケティングに関するソリューションを紹介するフォーラムで、簡単に言うと、ウェブやSNSの分析、効果的な広告やPRページの企画・開発・制作、ウェブサイトの最適化などがテーマです。
ワンデーのフォーラムながら総来場者数は1,500人以上となり、注目されていることが解ります。
さて、アドビと言えば画像編集ソフトの大御所「Photoshop」、イラストや図版制作の「Illustrator」、DTPの「Indesign」やビデオ編集の「Premire」など、クリエイティブなアプリで知られている会社ですが、なぜデジタルマーケティングのフォーラムを自社で開催したりするのでしょうか?
まずはその辺から解説します。
■アドビも変革期にある、「Photoshop CC」へ
「クラウド」によって、アドビシステムズもまた大きな変革期にあります。例えば、先ほど挙げたPhotoshopやIllustratorなど、アドビのソフトウェアは従来、パッケージに入ったCDやDVDで販売されてきました。単品はもちろん、セットで販売するスイートも用意され、それは「Adobe Creative Suite」(Adobe CS)としてラインアップされています(最新版はCS6ですね)。
それと併行して昨年より、ネットで月額料金で使用契約を結ぶことでこれらの製品が使用できる「サブスクリプション契約」方式の「Adobe Creative Cloud」の提供を開始しました。
つまり、パッケージが買いたい人はAdobe Creative Suiteを、月額契約で使いたい人はAdobe Creative Cloudという選択肢ができたのです。
しかし、アドビは大きな決断をしました。今後、Adobe Creative Suiteの製品としてのアップデートは終了し、Adobe Creative Cloudに一本化する決断です。例えばPhotoshopで言えば、今後、Photoshop CS7は登場せず、ネットでの月間契約でのみ最新版Photoshop CCがアップデートされていく、ということなのです。
ちなみにAdobe Creative Cloudの料金は個人の契約で月額5,000円。CS3~CS5.5を持っているユーザーがCreative Cloudに移行した場合は初年度は月額3,000円などの優待プランが用意されています。月額料金を払っていれば、20種類以上のアドビ製品が自由に使えるので、Creative Suiteを使いまくっている人や、あれもこれも使ってみたいけれど買うまでには踏み出せない、という人は移行によるメリットを感じる人も多いでしょう。
さて、ここで何が言いたいかというと、アドビはクラウドに向かって大きく舵取りをした、ということです。それと同時に、従来、企業買収によって強化してきたウェブマーケティングツール類をスイート化し、「Adobe Marketing Cloud」としてラインアップ、近い将来、大きなビジネスの柱にするとともに、Creative CloudとMarketing Cloudとの連携も行っていく考えです。
■Adobe Marketing Cloudとは
Adobe Marketing Cloudは5製品(サービス)がセットになったスイートの名称で、クラウド提供されます。5製品とは、Adobe ANALYTICS、Adobe EXPERIENCE MANAGER、Adobe TARGET、Adobe SOCIAL、Adobe MEDIA MANAGERの5つです。
Creative Cloudが個人でも利用できるのに対して、Marketing Cloudはビッグデータを扱う大企業やグローバル企業が当面のクライアントとなるようです。
現在、ウェブマーケティングでは、ウェブサイトのアクセス数やコンバージョン率(どれだけ購入までいきついたか等)をはじめとした解析と分析、製品のターゲティング、広告、ブランディング等が重要視されています。また最近ではFAcebookやTwitterなどのソーシャルメディアの分析や連携(ソーシャルマーケティングといいます)、それらも含めて一連のウェブ・エクスペリエンス・マネジメント(WEM)も注目されています。
Marketing Cloudはこれらを包括的に、総合的に提供するクラウドアプリケーション&サービスです。
デジタル・ウェブ・マーケティングは、具体的にどのような作業が行われていくのか、また、このフォーラムでアドビ社が2時間にわたる基調講演で行われたウェブ・マーケティングのストーリーも機会があれば解説していきます。
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▲ Text : 神崎洋治 (TRISEC International,Inc.)
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